欧文情報を見る


原著
成人におけるジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)3種混合ワクチン0.2 mL接種の百日咳抗体への効果
1)東京都立駒込病院感染症科, 2)東京都立駒込病院小児科
柳澤 如樹1), 高山 直秀2), 菅沼 明彦1)
(平成20年6月4日受付)
(平成20年8月11日受理)
Key words: adult pertussis, DPT vaccine
要旨

 ジフテリア・百日咳・破傷風3種混合(DPT)ワクチン接種の普及により,百日咳は乳幼児の間では既に稀な疾患となっているが,欧米で10代から若年成人での発生増加がみられ,日本でも成人の百日咳患者や大学での集団発生が報告されている.青年・成人での百日咳予防のため,米国では成人用DPTワクチンが認可されている.一方,我が国では成人用DPTワクチン開発の動きは見られない.そのため青年・成人での百日咳予防のためには,国内で市販されている小児用DPTワクチンを使用するほかない.我々は,小児用DPTワクチンの接種量を0.2 mLに減量して,30例の成人に接種し,その効果と安全性を調査した.DPTワクチン0.2 mL接種後に百日咳抗PT抗体価は29例で,抗FHA抗体価も29例で上昇がみられた.破傷風抗毒素価は,破傷風接種歴がないと思われる2例を除いた28例で上昇していた.小児と比較して接種局所の副反応の発現頻度は高かったが,発熱などの全身反応の出現率は低かった.現在市販されている小児用DPTワクチン0.2 mLを成人に接種することにより,健康上大きな問題なく,百日咳抗体価の上昇が得られると考えられた.

〔感染症誌 83: 7~11, 2009〕
別刷請求先:
(〒113-8677)東京都文京区本駒込3-18-22
東京都立駒込病院感染症科 柳澤 如樹

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です