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総説
エボラ出血熱:西アフリカにおける流行と対策
1)東京都保健医療公社豊島病院感染症内科, 2)日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部, 3)国立国際医療研究センター国際感染症センター
足立 拓也1), 古宮 伸洋2), 加藤 康幸3)
(平成27年1月5日受付)
(平成27年1月21日受理)
Key words: Ebola virus disease, prevention, transmission
要旨

 西アフリカでエボラ出血熱の過去最大の流行が続いている.筆者らは世界保健機関(WHO)の短期専門家としてリベリアとシエラレオネに派遣され,最前線の治療センターで診療や感染対策に従事した.本稿では,西アフリカにおける流行の状況,現地での疾患対策,臨床的特徴,医療従事者に起こった感染について報告する.

 現地では,WHO「ウイルス性出血熱患者の臨床管理」ガイドにもとづき,汚染区域と非汚染区域の明確な区別,症例定義に沿った患者のトリアージ,適切な個人防護具の着用,適切な消毒液の使用などの方法により,患者の受け入れと診療を継続した.

 看護師など医療従事者の感染は深刻な問題であった.感染の直接的原因は特定されていないが,流行規模に比べて診療要員は決定的に不足しており,汚染区域での単独作業,個人防護具装着による作業のしづらさや視界不良,疾患対策の長期化による疲労の蓄積など,複合的要因が考えられた.

 筆者らの観察した臨床的特徴と,これまでのアウトブレイク対策で既に報告されている知見をふまえて,エボラ出血熱患者の診療に際しての合理的な対策について提言する.我が国の対策の一助となれば幸いである.

〔感染症誌 89: 223~229, 2015〕
別刷請求先:
(〒173-0015)東京都板橋区栄町33-1
東京都保健医療公社豊島病院感染症内科 足立 拓也

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