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原著
腸炎を呈した患者に対する新規カンピロバクター抗原迅速診断キットの評価
1)横浜市立市民病院感染症内科, 2)京都市立病院感染症内科, 3)大阪市立総合医療センター感染症内科, 4)東京都保健医療公社荏原病院感染症内科, 5)東京都保健医療公社豊島病院感染症内科, 6)東京都立墨東病院感染症科, 7)川崎市立川崎病院感染症内科, 8)なかふかわ小児科, 9)市立敦賀病院検査室, 10)公立松任石川中央病院検査室, 11)京都大学大学院医学研究科
立川 夏夫1), 吉村 幸浩1), 清水 恒広2), 杤谷 健太郎2)11), 後藤 哲志3), 角田 隆文4), 足立 拓也5), 小林 謙一郎6), 坂本 光男7), 大成 滋8), 川端 直樹9), 坂上 有貴子10), 相楽 裕子5)
(平成28年6月7日受付)
(平成29年1月10日受理)
Key words: Campylobacter, rapid diagnosis, immunochromatography
要旨

 今回,新たに開発されたカンピロバクター抗原迅速診断キットDK14-CA1(デンカ生研,以下抗原検出キット)の臨床性能評価を行った.抗原検出キットは着色ラテックス粒子を用いたイムノクロマトグラフィー法を原理とする試薬で,腸炎患者の糞便検体から直接カンピロバクター抗原(Campylobacter jejuniまたはCampylobacter coli)を15分で検出できるキットである.

 腸炎患者からの糞便検体227検体を対象に臨床性能試験を実施し,抗原検出キットと培養法との成績を比較した結果,陽性一致率75.6%,陰性一致率98.6%,全体一致率89.9%,陽性的中率97.0%の相関を示した.抗菌薬投与を考慮する際の指標となる重症に該当する53症例では,培養法に対して,陽性一致率82.1%,陰性一致率100%,全体一致率90.6%,陽性的中率100%の相関を示した.抗原検出キットの陽性判定までの平均時間は約7分で,培養法の陽性判定までの平均培養日数は約2.2日であった.

 抗原検出キットは培養法と比べやや感度が低いことを理解した上で使用する必要はあるが,外来やベッドサイドで迅速にカンピロバクターの検査が出来る点は,今後の腸炎患者の診療に有用であると考えられた.

〔感染症誌 91: 145~150, 2017〕
別刷請求先:
(〒959-1695)新潟県五泉市木越字鏡田1359-1
デンカ生研株式会社研究開発センター 加藤 大介

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