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原著
G群溶血性連鎖球菌菌血症104症例の臨床的特徴および市中発症群と院内発症群の臨床的特徴の比較
1)亀田総合病院感染症科, 2)亀田総合病院臨床検査部
三好 和康1), 馳 亮太1), 清水 彰彦1), 安間 章裕1), 鈴木 啓之1), 藤田 浩二1), 鈴木 大介1), 戸口 明宏2), 大塚 喜人2), 細川 直登1)
(平成28年3月24日受付)
(平成29年3月10日受理)
Key words: streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis, group G Streptococcus, bacteremia
要旨

 G群溶血性連鎖球菌(group G streptococcus(GGS))菌血症はA群溶血性連鎖球菌による感染症と類似した侵襲性の病態を示し,死亡率は3.3~17.3%と報告されているが日本国内からの血液培養陽性症例についてのまとまった報告は少ない.また,これまでにGGS菌血症の臨床的特徴を検討した報告は複数あるが,市中発症群と院内発症群に区別して臨床的特徴の違いを詳細に検討した研究はない.当院におけるGGS菌血症の臨床的特徴,および市中発症群と院内発症群で臨床的特徴に違いがあるのかを後方視的に検討することが本研究の目的である.亀田総合病院で2005年6月から2014年9月にかけて血液培養陽性となったGGS菌血症の全症例を対象とした.診療録を用いて臨床情報を収集し,市中発症群と院内発症群に区別して後方視的に解析,検討した.期間中にGGS菌血症を呈した症例は104症例で,市中発症例が92症例,院内発症例が12症例であった.平均年齢は75.4歳(±17.1)で市中発症群と院内発症群で有意差は認めなかった.蜂窩織炎が全症例の52.9%を占め頻度が最も高く,次にprimary bacteremiaが13.5%であった.院内発症群では皮膚・軟部組織感染の占める割合が小さい傾向OR 0.05(95% CI 0.01~0.27;p<0.01)にあり,Primary bacteremiaや好中球減少性発熱といった感染巣不明な疾患の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を示した.当院のGGS菌血症は他の報告と比較して年齢中央値が高く,primary bacteremiaの割合が小さいという特徴を持つことが明らかになった.また,院内発症群では感染巣を特定できない症例の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を認めた.

〔感染症誌 91: 553~557, 2017〕
別刷請求先:
(〒296-8602)千葉県鴨川市東町929
亀田総合病院感染症科 三好 和康

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