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原著
RSウイルス,ヒトメタニューモウイルス感染症入院例の胸部単純X線写真と重症度の検討
1)広島市立広島市民病院新生児科, 2)広島市立舟入市民病院小児科
山根 侑子1), 松原 啓太2)
(平成29年6月5日受付)
(平成29年8月29日受理)
Key words: RS virus, human metapneumovirus, viral pneumonia
要旨

 RSウイルス(RSV)感染症とヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症の胸部単純X線所見や重症度については,まだ一定の見解を得られていない.我々は,2014年4月から2015年3月までの1年間に広島市立舟入市民病院小児科に入院したRSV迅速検査陽性例,hMPV迅速検査陽性例を対象として,両ウイルス感染症の胸部単純X線所見と臨床像を検討した.胸部単純X線写真で肺炎所見を認めた例(肺炎例)は,RSV陽性31/126例(24.6%),hMPV陽性31/73例(42.5%)で,hMPV陽性において有意に多かった(p<0.01).RSV陽性肺炎例とhMPV陽性肺炎例の,努力呼吸の有無,入院時SpO2値,血清CRP値,入院日数を比較すると,いずれもほぼ同様であった.また,RSV陽性とhMPV陽性のそれぞれで,肺炎例と肺炎所見がなかった例に分けて臨床像を比較すると,RSV陽性,hMPV陽性ともに肺炎例の入院時SpO2値が低く,血清CRP値が高い傾向があったが,その差はごくわずかであった.努力呼吸の有無と入院日数は有意差がなかった.以上より,hMPV陽性例はRSV陽性例より肺炎の頻度が高いが,重症度は同程度であり,肺炎の有無によっても重症度に明らかな差は生じないことが示唆された.

〔感染症誌 91: 943~947, 2017〕
別刷請求先:
(〒730-8518)広島県広島市中区基町7-33
広島市立広島市民病院新生児科 山根 侑子

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