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原著
1%クロルヘキシジンアルコール皮膚消毒による血液培養の汚染率に与える影響の評価
1)市立大津市民病院救急診療科・集中治療部, 2)(株)グッドライフデザインラボラトリー事業部細菌検査室, 3)トヨタ記念病院救急科, 4)トヨタ記念病院集中治療科, 5)トヨタ記念病院感染症科
大手 裕之1), 須垣 佳子2), 西川 佳友3), 南 仁哲4), 川端 厚5)
(平成29年7月3日受付)
(平成29年10月30日受理)
Key words: blood culture, contamination rate, chlorhexidine-alcohol
要旨

 10%ポビドンヨード(以下PI)の使用時には塗布後2分以上待つことで消毒効果が発揮されるとされている.トヨタ記念病院では繁忙さゆえ,血液培養採取時のPIによる皮膚消毒時に2分間の消毒時間が必ずしも徹底されてこなかった.NICUを除く全病院内を通じて2014年10月より血液培養採取時の消毒薬を消毒効果に速効性があるとされる1%クロルヘキシジンアルコール(以下CH)に切り替えた.切り替えた前後での汚染率および汚染菌を比較することにより,CHの消毒効果について検討した.2013年10月~2014年9月の1年間(第1期:PI期)と2015年1月~2015年12月の1年間(第2期:CH期)の汚染率を2群間で比較した.2014年10月~12月については移行期間として検討から除外した.CH期ではPI期に比較して汚染率が有意に低かった(p<0.0001).病棟・ICUと外来部門での汚染率の減少は同等であった.汚染菌の比較では,PI期に比較してCH期ではCoagulase-negative staphylococci(CNS)が有意に減少した.Bacillus spp.やClostridium spp.にはCHの優位性は認められなかった.入院部門,外来部門いずれにおいても,血液培養採取時のCNSによる汚染の予防にPIよりもCHが推奨される.

〔感染症誌 92: 46~50, 2018〕
別刷請求先:
(〒520-0804)滋賀県大津市本宮2丁目9-9
市立大津市民病院集中治療室 大手 裕之

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