欧文情報を見る


原著
新規アジュバント添加帯状疱疹サブユニットワクチンの日本人における50歳以上及び70歳以上の有効性,安全性及び免疫原性
1)日本臨床内科医会, 2)ジャパンワクチン株式会社, 3)GlaxoSmithKline, USA, 4)愛知医科大学皮膚科
池松 秀之1), 山下 信行2), 小川 正之2), 平野 元規2), Martina Kovac3), 渡辺 大輔4)
(平成29年7月3日受付)
(平成29年11月7日受理)
Key words: herpes zoster vaccine, Japanese, adjuvant, vaccine efficacy, safety
要旨

 水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパクEとAS01Bアジュバントを含む新規帯状疱疹サブユニット候補ワクチン(以下HZ/su)は,2つの大規模国際共同試験(ZOE-50及びZOE-70)で帯状疱疹(Herpes Zoster,以下HZ)及び帯状疱疹後神経痛(Post Herpetic Neuralgia,以下PHN)の発症を90%以上減少させることが報告されている.今回これら2試験において,日本で組み入れられた被験者(日本人集団)での記述的サブ解析を行い,その成績を検討した.

 被験者にHZ/su又はプラセボ(1対1)を2カ月間隔で2回筋肉内に接種した.ZOE-50の解析データから50歳以上でのHZに対する有効性を検討し,ZOE-50及びZOE-70の併合解析データから70歳以上でのHZ及びPHNに対する有効性を検討した.安全性は全ての被験者で検討し,副反応は副反応部分集団で検討した.一部の被験者から血液を採取し,ワクチンにより誘導される液性及び細胞性免疫について検討した.

 日本で組み入れられた被験者はZOE-50では577例,ZOE-70では511例で,有効性の解析対象となったのは1,042例であった(それぞれ561例及び481例).50歳以上全体でのHZに対する有効率はZOE-50の561例で81.4%(95%CI:14.9~98.0%),70歳以上でのHZに対する有効率はZOE-50及びZOE-70を併合した608例で92.4%(95%CI:69.4~99.1%)であった.PHNはHZ/su群での発症者はみられず,有効率100%(95%CI:-58.7~100%)であった.4年間の試験期間を通じて,HZ及びPHNに対する有効率は高く維持された.HZ/su群では強力な細胞性及び液性免疫が誘導され,試験期間中維持された.HZ/su群での接種後7日間における局所性及び全身性特定有害事象の発症頻度は,プラセボ群より高かった.重篤な有害事象,免疫の関与が疑われる疾患,死亡の発生率は,プラセボ群と同程度であった.

 以上の成績より,HZ/suは日本人集団でもHZ及びPHNの予防にグローバル試験と同様の高い有効性が示され,50歳以上の全ての年齢層での免疫誘導能が示された.また,安全性においてもグローバル全体の集団と比べ明らかな相違はみられなかった.以上の結果から,HZ/suは日本の高齢者において有益なワクチンになると思われる.

〔感染症誌 92: 103~114, 2018〕
別刷請求先:
(〒102-0081)東京都千代田区四番町6東急番町ビル
ジャパンワクチン株式会社 小川 正之

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です