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原著
ノロウイルス抗原キットの性能評価およびキット間差の検討
1)札幌医科大学附属病院検査部, 2)札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座
佐藤 勇樹1), 品川 雅明1), 髙橋 祐輔1), 佐伯 理知1), 八鍬 佑貴1), 髙橋 聡1)2)
(平成29年8月17日受付)
(平成29年11月14日受理)
Key words: norovirus, real time RT-PCR, immunochromatography
要旨

 ノロウイルス感染疑い患者の便69検体を用いてReal time reversetranscriptase-PCR(Real Time RT-PCR法)を比較対照とし,4社のノロウイルス抗原キットの性能評価およびキット間差を調べた.ノロウイルス抗原キットはイムノキャッチ―ノロ(Aキット),クイックチェイサ―Noro(Bキット),GEテスト イムノクロマト―ノロ「ニッスイ」(Cキット)およびクイックナビ―ノロ2(Dキット)を用いた.その結果,Real Time RT-PCR法でGenogroup I(GI)が6例,Genogroup II(GII)が22例あり,そのうちGIとGIIの混合感染が1例存在した.陽性検体のウイルス量は1.54×101~3.14×108 copies/μLであった.Genotypeは,GIがGI.1(1例),GI.2(3例),GI.3(2例),GIIはGII.2(1例),GII.4(7例),GII.13(2例),GII.17(12例)であった.A,B,C,DキットとReal Time RT-PCR法の一致率は,陽性一致率で59.3%,51.9%,51.9%,48.1%,陰性一致率で97.6%,100%,100%,97.6%であり,κ係数による評価では明らかなキット間差はみられなかったが,今後,さらに臨床検体を用いて,他のgenotypeによる検討および評価が求められる.またGII.P17_GII.17/Kawasaki308が12例同定され,ノロウイルス抗原キットは104~105copies/μL以下のウイルス量で偽陰性になる傾向がみられた.臨床現場で用いる場合,使用するノロウイルス抗原キットの感度や特異性に限界があることに留意しておく必要がある.

〔感染症誌 92: 120~125, 2018〕
別刷請求先:
(〒060-8543)北海道札幌市中央区南1条西16丁目291
札幌医科大学附属病院検査部 佐藤 勇樹

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