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原著
免疫クロマトグラフィ法でありながら発光免疫測定法に匹敵する検出感度を有する新規HBs抗原検出試薬の性能評価
1)川崎医科大学附属病院輸血部, 2)川崎医科大学血液内科学
中桐 逸博1), 和田 秀穂1)2), 徳永 博俊2), 田坂 大象2), 杉原 尚2)
(平成29年9月11日受付)
(平成29年11月20日受理)
Key words: rapid HBsAg screening assay, immunochromatography, avidin-biotin
要旨

 新たに開発されたHBs抗原検出イムノクロマトグラフィ法(ICA)である「アリーアHBsAg」(アリーア メディカル社)の性能評価を行う機会を得たので,当院においてHBs抗原スクリーニング検査が実施された日本人患者275例の血清および一部全血(EDTA加)検体,市販の5種類のSeroconversion PanelおよびWHO International Standard HBsAg Panelを用いて検討した.検討対象275例のうちRT-PCR(TaqMan法)によりHBV DNAが陽性であった54例での感度は,98.1%(53/54)であり,対照法である化学発光免疫測定法(定量;CLIA)と同等で,既存ICAおよび化学発光酵素免疫測定法(定性法;CLEIA)に比較して良好であった.HBV DNAが陰性であった221例における特異性は,100%(221/221)とCLEIA,CLIAと同等で,既存ICAより良好であった.Seroconversion Panelを用いた感度試験では,CLIA法とほぼ同等,既存ICA,CLEIAに比較して早期より検出可能であった.CLIA法によるSeroconversion PanelのHBsAg定量値(IU/mL)を基準に検出感度を求めたところ,本法の検出感度は0.1 IU/mLであった.今回の検討より,本法は,アビジン―ビオチンの反応系を用いることで高い反応性と非特異反応物質との分離能向上により,発光免疫測定法に匹敵する高感度化と同時に高い特異性が備わった新たなICAであることが示された.本法は全血対応も可能なことから,緊急検査の他,既往感染者のリスク対策などHBs抗原の精査目的の1つのツールとしても有用であると思われた.

〔感染症誌 92: 126~132, 2018〕
別刷請求先:
(〒701-0192)岡山県倉敷市松島577
川崎医科大学附属病院輸血部 中桐 逸博

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