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原著
血清抗体価測定によるYersinia pseudotuberculosis感染症の発生状況調査(1999年~2016年)
岡山県環境保健センター細菌科
中嶋 洋, 狩屋 英明, 岸本 壽男
(平成29年8月4日受付)
(平成30年1月9日受理)
Key words: Yersinia pseudotuberculosis, antibody, infant, Kawasaki disease
要旨

 Yersinia pseudotuberculosis感染症の発生状況を把握するため,主に小児科患者等654名(1,308検体)の血清について,Y. pseudotuberculosis血清群1~6の各菌体抗原に対する抗体価を測定した.その結果,98名(15.0%)が1種類の血清群に対して抗体陽性(≧1:160)となり,このうち血清群5が42名(42.9%)で最も多かった.Y. pseudotuberculosisが便や血液から分離された事例においては,16名中13名(81.3%)が,また,環境のみから本菌が分離された3事例の患者6名中5名(83.3%)が抗体陽性となり,陽性を示した抗体の血清群は各事例の分離菌の血清群と一致した.抗体陽性者は,川崎病症状を呈した患者グループ(10.9%)に比べ,Y. pseudotuberculosis感染疑いの患者等のグループ(18.5%)に多く(p<0.01),抗体陰性の者に比べて下痢,結節性紅斑,腹痛,腎不全の症状や,家族内発症及び山水・井戸水などの使用の割合が有意に高かった(p<0.025~p<0.005).

〔感染症誌 92: 353~357, 2018〕
別刷請求先:
(〒701-0298)岡山市南区内尾739-1
岡山県環境保健センター細菌科 中嶋 洋

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