欧文情報を見る


原著
感染症法改正による地方衛生研究所の病原体サーベイランスへの影響
埼玉県衛生研究所
山田 文也, 内田 和江, 篠原 美千代, 岸本 剛
(平成29年8月22日受付)
(平成30年3月6日受理)
Key words: public health institutes, infectious agents surveillance, legal revision
要旨

 目的:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の改正により,2016年4月から病原体サーベイランスの情報収集体制が強化された.そこで,5類定点把握対象のウイルス性疾患について,その影響を検討した.

 方法:病原体検査を実施している全国の地方衛生研究所等81施設を対象に,2014年から2016年までの病原体検査の情報をアンケートにより調査し,法改正前の2年間と法改正後の2016年の検体搬入状況を比較した.

 成績:インフルエンザについては,法改正により搬入検体数は顕著に増加していたが,その他の小児科定点把握対象疾患では,法改正による共通の変化は認められなかった.

 結論:今回の感染症法改正による定点把握対象疾患を対象とした病原体サーベイランスへの影響は,インフルエンザに関しては,検体収集の標準化により検体数の増加が成果として認められた.さらに,この検体数の増加によるその他のウイルス性疾患サーベイランスに対する影響は少ないものと考えられた.

〔感染症誌 92: 365~370, 2018〕
別刷請求先:
(〒355-0133)埼玉県比企郡吉見町江和井410-1
埼玉県衛生研究所 山田 文也

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です