欧文情報を見る


原著
Exfoliative toxin,Panton-Valentine Leukocidin産生メチシリン耐性黄色ブドウ球菌臨床分離株における毒素産生とPOT型の関連性について
1)愛媛大学医学部附属病院検査部, 2)いしづち眼科, 3)愛媛大学医学部附属病院小児科, 4)愛媛大学医学部附属病院第1内科
宮本 仁志1), 鈴木 崇2), 村上 忍1), 越智 史博3), 末盛 浩一郎4), 田内 久道3)
(平成30年2月6日受付)
(平成30年5月10日受理)
Key words: methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), exfoliative toxin (ET), Panton-Valentine Leukocidin (PVL), PCR-based open reading frame typing (POT)
要旨

 Exfoliative toxin(ET)またはPanton-Valentine Leukocidin(PVL)は,methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)の病原因子であり,感染症病態に関与していると考えられているが,ETおよびPVL産生株の遺伝子型相同性については明らかになっていない.そこで,我々は,2010年1月~2017年12月に愛媛大学医学部附属病院で分離されたETまたはPVL産生MRSA 40株を対象とし,毒素型,薬剤感受性試験に加えてPCR-based open reading frame typing(POT)法による疫学的解析を行った.ET-A産生株は22株すべて70-18-81,ET-B産生株は10株すべて73-152-80となりET産生株は同一のクローンと判定された.また,薬剤感受性においてもET-A産生株は80%,ET-B産生株は100%同一のパターンを示した.PVL産生株においては106-77-113(5株),64-88-19(2株),110-16-49(1株)の3種類検出されており複数のクローンが存在するものと考えられた.

 今回の検討より,ET産生株においては同一クローンの可能性が高いことより,POT型より毒素産生株を推測できる可能性の高いことが示唆された.またPVL産生株においては,複数のクローンが存在しているが,106-77-113およびPOT1型が64,110の株もPVL産生株の可能性が高いことを確認し,POTの分類が毒素産生を反映しているため,有効な株識別法であると考えられた.

〔感染症誌 92: 663~669, 2018〕
別刷請求先:
(〒791-0295)愛媛県東温市志津川
愛媛大学医学部附属病院検査部 宮本 仁志

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です