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原著
間接赤血球凝集反応を用いた赤痢アメーバ感染症の血清診断
1)がん・感染症センター都立駒込病院感染症科, 2)がん・感染症センター都立駒込病院臨床検査科・感染制御科, 3)埼玉医科大学医学部臨床検査医学教室, 4)東海大学医学部基礎医学系生体防御学, 5)慶応義塾大学医学部感染症学教室
増田 剛太1), 今村 顕史1), 関谷 紀貴2), 前田 卓哉3), 橘 裕司4), 小林 正規5)
(令和元年6月5日受付)
(令和元年10月28日受理)
Key words: Entamoeba histolytica, amoebic liver abscess, indirect haemagglutination test
要旨

 1992~2000年の期間に都立駒込病院感染症科で診療した赤痢アメーバ感染症{腸炎54例,肝膿瘍58例,無症候性原虫保有者(キャリア)17例}の血清赤痢アメーバ抗体価(間接赤血球凝集反応)を後方視的に検討した.これら症例間での平均検査回数は大腸炎2.1回,肝膿瘍3.3回,キャリア1.3回であった.各症例での検査病日・回数は不定期・任意であるため,抗体検査が複数回なされた症例では各症例での最高値を当該症例の抗体価とした.検査試薬としては赤痢アメーバHA(KW)(日本凍結乾燥研究所製造;協和薬品工業株式会社販売)を用い,希釈濃度1:80以上で凝集を示す場合を陽性とした.アメーバ性腸炎での陽性率は85.2%(抗体価の範囲1:80~1:5,120),アメーバ性肝膿瘍では98.3%(範囲1:160~1:20,480),キャリアでの陽性率は11.7%であった.

 非アメーバ性腸炎28例を陰性対照とすると全例が抗体陰性であり,その結果,赤痢アメーバ性腸炎での赤痢アメーバ抗体の特異度は100%,また,肝臓の空間占拠性疾患16例(非アメーバ性肝膿瘍8例,肝腫瘍8例)を陰性対照とすると全症例で血清抗体陰性であり,アメーバ性肝膿瘍に対する血清赤痢アメーバ抗体の特異度も100%だった.

〔感染症誌 94: 102~108, 2020〕
別刷請求先:
(〒113-0021)東京都文京区本駒込1-25-15
 増田 剛太

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