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原著
Respiratory syncytial virus(RSV)感染流行時期の変化に伴う感染乳児の臨床像の違い
芳賀赤十字病院小児科
齋藤 真理
(令和元年9月4日受付)
(令和元年11月27日受理)
Key words: respiratory syncytial virus, infant, epidemic
要旨

 【目的】本邦のrespiratory syncytial virus(RSV)感染は,従来,秋から流行し冬にピークを認めたが,2016年以降は流行が早まり,夏から流行し秋にピークを迎えるようになった.そこで,流行時期が夏に変化しつつあることがRSV感染児の臨床像に与える影響を検討した.【方法】2014年6月から2019年5月の間に,RSV迅速検査が陽性で,当科で入院加療した2歳未満児を対象とした.迅速検査を6~9月に実施した児を夏季群,10~4月に実施した児を夏季以外群として,後方視的に診療録から情報を抽出,解析した.【結果】夏季群は126例,夏季以外群は245例だった.夏季群は,夏季以外群より背景にアトピー型気管支喘息発症予測因子を有する児が多く,呼気性喘鳴を聴取する児が多かった.治療経過では,夏季以外群で抗菌薬を使用した児が多かったが,酸素吸入を含めた呼吸管理を要した児は同程度だった.【結論】RSV感染で入院加療が必要になる乳児では,夏季時はアトピー型気管支喘息との関連が示唆された.

〔感染症誌 94: 181~185, 2020〕
別刷請求先:
(〒321-4306)真岡市中郷271
芳賀赤十字病院小児科 齋藤 真理

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