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原著
発症から検査までの時間がインフルエンザ迅速抗原検査に与える影響:前向き観察研究
1)筑波メディカルセンター病院感染症内科, 2)筑波メディカルセンター病院臨床検査医学科, 3)筑波メディカルセンター病院臨床検査科, 4)筑波メディカルセンター病院総合診療科, 5)筑波メディカルセンター病院小児科, 6)筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
明石 祐作1)2), 鈴木 広道1)2), 竹内 優都1), 上田 淳夫3), 廣瀬 由美4), 今井 博則5), 石川 博一6)
(令和元年12月16日受付)
(令和2年10月22日受理)
Key words: influenza, point of care testing, rapid influenza diagnostic test, sensitivity and specificity, time course
要旨

 日本ではインフルエンザの診断に,迅速抗原検査が広く用いられている.しかし,40~50%で偽陰性が見られるとされ,正確に結果を解釈するためには,検査性能に影響する要因を把握する必要がある.今回,インフルエンザ様症状(37℃以上の体温上昇,寒気・体熱感,咳,喀痰,倦怠感,咽頭痛,筋肉痛・関節痛,頭痛,鼻汁・鼻閉のいずれか)の発症から検査までの時間経過により,インフルエンザ迅速抗原検査の感度・特異度が異なるか,単施設前向き研究で調査した.当施設がある地域のインフルエンザ流行期間に(2017年12月~2018年2月および2018年12月~2019年3月),臨床的にインフルエンザの疑いがあり,担当医がインフルエンザ迅速抗原検査を必要と判断した患者を対象とした.基準検査法はリアルタイムPCR法とした.期間中の累計322名(2017年度:159名,2018年度:163名)のうち,313名を最終対象者とした.リアルタイムPCR法を用い129名(41.2%)でインフルエンザウイルスを検出した(A型:88名,28.1%;B型:41名,13.1%).インフルエンザ迅速抗原検査の感度は,全体で54.3%(95%信頼区間(CI):45.3~63.1),特異度は100%(95%CI:98.0~100)だった.感度はインフルエンザ様症状の発症からインフルエンザ迅速抗原検査までの時間の経過により有意な上昇を示した(p=0.03):12時間未満,38.9%(95% CI:17.3~64.3);12~24時間,40.5%(95% CI:25.6~56.7);24~48時間,65.2%(95% CI:49.8~78.6);48時間以降,69.6%(95% CI:47.1~86.8).本検討より,インフルエンザ迅速抗原検査の感度は,インフルエンザ様症状の発症から時間が経過するに連れて上昇する可能性が示された.

〔感染症誌 95: 9~16, 2021〕
責任著者:
(〒305-8558)茨城県つくば市天久保1-3-1
筑波メディカルセンター病院感染症内科 明石 祐作
E-mail: yusaku-akashi@umin.ac.jp

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