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原著
COVID-19における,宿泊療養開始時期と家庭内感染予防効果について
横浜市健康福祉局健康安全部健康安全課
船山 和志
(令和3年7月12日受付)
(令和3年8月12日受理)
Key words: isolation in facilities, household infection, COVID-19, SARS-Cov-2
要旨

 国はCOVID-19の家庭内感染予防のために宿泊療養を推奨しているが,療養開始時期と家庭内感染発生率の関係は明らかになっていない.COVID-19は発症2日前から感染性があり,発症直後にウイルス量が最も多いと言われていることから,診断後早期に宿泊療養を開始しても,既に家庭内感染が成立している可能性も考えられた.そこで我々は,宿泊療養を行った家庭内での初発患者1,075名を対象に,発症2日前から療養開始までの期間(感染曝露期間)と家庭内感染発生率の関係を検討した.同居する世帯で1名以上2次感染者が発生した場合に家庭内感染発生ありとし,家庭内感染が発生した世帯数を,対象の全世帯数で除したものを家庭内感染発生率とした.感染曝露期間ごとの家庭内感染発生率では,3日までは発生がみられず,7日で22.6%(95%信頼区間16.9%~29.5%),12日以上では45.5%(95%信頼区間21.3%~72.0%)となっていた(回帰式y=0.037x-0.047 R2=0.863 p<0.01).本研究の結果からは,感染曝露期間が長いほど家庭内感染発生率が上昇しており,感染曝露期間が7日内(発症後5日以内)に施設療養を行えば,家庭内感染発生率を半減(7日間22.6%,12日間以上45.5%)できる可能性が示唆された.

〔感染症誌 95: 391~395, 2021〕
責任著者:
(〒231-0005)神奈川県横浜市中区本町6丁目50番地の10
横浜市健康福祉局健康安全部健康安全課 船山 和志
E-mail: ka00-funayama@city.yokohama.jp

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